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陸軍は陸地を主要な活動領域とし、陸戦を遂行する。作戦を遂行する歩兵、砲兵、戦車、航空部隊や、戦闘支援・後方支援を行う通信、需品、衛生、化学、会計、音楽部隊などから構成され、部隊が配備される駐屯地(基地)を持つ。 海軍は海洋を主要な活動領域とし、海戦を遂行する。航空母艦、巡洋艦、駆逐艦、フリゲート、潜水艦、掃海艇、航空機などから構成される艦隊を持ち、それらが配備される港湾や基地を持つ。 空軍は空域を主要な活動領域とし、航空作戦を遂行する。戦闘機、攻撃機、爆撃機、偵察機、電子戦機、早期警戒機、輸送機、空中給油機などから構成される航空部隊を持ち、また防空のための地対空ミサイルなどを有する。それらが配備される基地を持つ。 また旧ソビエトでは空軍とは別に防空軍と言う組織が存在した。 陸海空あらゆる場所において作戦行動が可能な戦力を持つ為替 は統合部隊であり、二国以上の軍隊で構成される部隊が連合部隊、両者が併用された場合は統連合部隊と呼ばれる。国によってその有無、規模、編制は異なる。米軍は地域別に統合軍を保有しており、世界規模の作戦行動を分担している。北大西洋条約機構軍や欧州連合軍は陸海空軍を統合し、さらに諸国の軍隊を連合した編制になっている。 軍学校とは軍隊の下士官や幹部を養成するための各軍各種の学校、大学、幕僚学校等である。これは要員を補充するための補充学校と要員の技能を高めるための実施学校に大別され、軍種や兵科によって設置される。ただし統合幕僚大学では全ての軍種を統合した教育機関である。軍学校の期限は17世紀に常備軍が創設されて将校の補充の必要が生まれたことにあるが、各国軍で軍学校の設置が本格化したのは18世紀後半からである。その教育内容は礼式、戦術と指揮、兵器の運用等であり、海軍ではさらに航海学等が加えられていた。20世紀には空軍の士官学校が設けられると科学技術の知識の必要性が見直され、第二次世界大戦後には一般的な教養科目も大幅に拡充された。また教育と共に研究を行っている場合も多い。専門的な研究を行う機関に研修生として派遣される場合もある。 情報機関とは一連の情報活動を行っている機関であり、諜報機関とも呼ばれる。軍隊における情報機関は主に軍事情報に属する情報資料を収集しており、人的・物的な情報資料の収集、データベースの作成、情勢資料の分析、上層部への重要な情報の報告などを具体的な業務としている。情報機関は情報活動の領域を衛生写真や地理的な特徴についての情報を扱う部署、通信やレーダー等の電子的な情報を扱う部署、対外的に情報を保全する防諜を担当する部署、外貨預金 された情報資料を総合的に分析する部署などに分かれているが、情報機関の組織は国によって異なる。 特務機関とは特殊な任務を実行する機関であり、情報機関のように諜報活動を行う場合もあれば、政治工作や破壊工作、宣撫工作などの隠密な活動を遂行する機関であり、一定の定められた任務を遂行する機関とは限らない。陸海空軍の特殊部隊も場合によってはこの特務機関に分類できる。公式には存在しない機関である場合もある。 兵站機関は後方支援業務を担当する機関であり、軍事作戦の遂行に必要となる物資の補給、輸送、管理を行う。兵站業務が確立されるまでは自給自足や現地調達で必要な物品を補給していたが、運用される部隊の大規模化が進み、今日では基地に物資を集積しておいて部隊に対しては定期的に補給する方式が採られている。そのために兵站機関は平時においては物資の管理、戦時においては兵站計画の立案、輸送の統制、補給施設の管理、交通路の確保、財務、広報などの幅広い広報支援活動を行う。 軍隊における衛生の意義とは兵員の能力を医学的に維持向上させることによって軍隊の戦力の水準を保つことにある。居住環境、食品衛生、伝染病の予防などの防疫に関する助言や負傷者の治療、負傷の予防、さらにこれらに関連する衛生学、戦傷学、戦病学、軍陣防疫学、軍陣衛生学などの研究を行う。陸海空軍がそれぞれ独自に衛生機関を設置しているのは、行動領域が異なるために必要になる衛生上の機能も細部で異なるからである。これら衛生機関の最高責任者は通常では国防相か陸海空軍の長官であり、補助的な機関として医務局がしばしば設置される。構成員は軍医、技術者、看護師、衛生下士官、衛生兵などであり、軍医と看護婦は将校の地位に類する立場として認められている。 陸海空軍とは別個に編制され、補助的なIPO 作戦を遂行する部隊、または治安維持や超法規的活動を行う部隊を言う。準軍事組織として扱われる組織には国境警備隊、沿岸警備隊(日本では海上保安庁)、警察軍(中国の武装警察が有名)、民間防衛隊などがある。これらは有事の際には正規軍に編入される場合が多い。正規の部隊に編入されていないミリシアや軍閥は正規の軍隊とは言わないが、一定の条件を満たせば国際法上の交戦者として扱われる。 軍隊の組織形態は国や時代によって多種多様であり一概には言えない。イタリア、フランス、インドネシアなどでは警察や消防を軍隊の軍種の一つ(国家憲兵など)としている。例えばフランスでは消防は軍の管轄であり、フランス軍のパレードでは消防担当の軍人も小銃と消火斧を携帯して行進する。逆にロシアの内務省部隊の様に文民機関に軍事任務を遂行する組織がある場合もある。ただし、内務省部隊員は軍人資格者である。一党独裁制をとる中国や北朝鮮の軍隊は、国家の軍隊ではなく政党の軍隊であるが、事実上の国軍とみなされている(軍種の区分については軍種を参照)。 軍隊という組織においては、その活動の成否が各個人の死に直結する緊急事態において行動する。その成功のために上部の意思が下部に迅速かつ的確に伝達され、それが実行されなければならず、組織的な合理性が追求されなくてはいけない。そのため、指揮系統の確保のために階級や指揮権というものが重要視されている。上下関係を明確にすることで、組織の意思決定、役割分担などの効率化を図っている。 軍隊の階級は一般に、士官、下士官、兵に大別され、士官は戦略的、作戦的な判断・決定を行い、下士官は現場指揮官として作戦的、戦術的な指揮をとる。兵は下士官に従って各々の役割を組織的に果たして任務を遂行する。さらに士官は将官、佐官、尉官に分かれ、さらにその内容も大佐、中佐、少佐のように三段階に構成されている。この階層構造は部隊の階層と関連してそれぞれの部隊に応じた指揮官に求められる階級がある。この制度はグスタフ2世により定められたものであり、現在でも用いられている。ただし細かい点については地域や時代により様々である。 軍法とは軍隊の構成員を軍隊の司法機関が規制する特別な法である。軍法の法源は基本的に議会の立法であるが、慣習法に基づいている場合もある。ただし軍隊と無関係の犯罪を軍人が犯した場合は一般的な法廷で裁判を受けさせることは可能である。軍法の適用される範囲は軍隊の構成員である軍人と軍属である場合が多く、さらに捕虜に対しても適用される。ただし反逆罪のような罪で起訴された場合は民間人でも軍事裁判で裁かれる国もある。軍事犯罪に関してはアメリカ軍の統一軍事裁判法では20種類の軍事犯罪が明記されており、任務の無断放棄、敵前逃亡、命令違反、敵前での許すべからざる行為などが挙げられている。殺人、強盗、強姦なども挙げられているが、専管でない。ただし軍事犯罪の定義は国によって異なっており、フランス軍やイギリス軍では純粋な軍事的な犯罪に限定しており、旧日本軍では軍人軍属の犯罪を全て軍事犯罪とまとめていた。軍事裁判が行われる法廷は軍法会議と呼ばれる。軍種別、部隊別に定められている場合が多く、アメリカ軍では略式軍法会議、特別軍法会議、一般軍法会議があり、それぞれに性格が異なる。犯罪者を起訴するのはその犯罪者が所属する部隊の長であり、事前に公正な調査が行われることと定められている。ただし指揮官は軍法会議によらず限定的な懲罰を部下に課す権限を持っており、この細部も国によって異なっている。 現代の軍制は概ね政治統制に基づいて国家元首の下に設置されているが、歴史的にはさまざま関係のあり方があった。政府指導者と軍隊指揮官が同一であった時代に始まり、その後に政府指導者と軍隊指揮官は軍事的な専門性の深化から分離されていった。そのために政府指導者による軍隊の統制という新しい必要性が生まれることとなった。アメリカの政治学者であるサミュエル・P・ハンティントンはこの文民統制を大きく政府指導者が軍隊の専門分野にまで強く介入する主観的文民統制と政府指導者が軍隊に専門分野に特化させて最低限の統制を保つ客観的文民統制に分けて論じた。またパールマターやファイナーは本来的に軍隊が政治へと介入しうる存在であることを軍隊の団体性や動機から説明している。軍隊と政府の関係は軍事と政治の関係であり、本質的には政治に軍事が従属するものであり、政府の意思を軍隊が代理して遂行する。しかしながら には政府は軍隊の軍事上の専門性を完全に理解することはできないために一方的な統制を行うことは出来ず、専門的な助言や判断を軍隊に対して要する。ここに政府と軍隊の関係がどうあるべきかについての問題がある。(政軍関係) 軍隊と警察は多くの点で特徴を共有している。警察は実力を以って法を執行し、その抑止的な能力によって秩序を維持する組織であり、その観点から軍隊と機能が一見類似している。しかしながら本質的には意義、権限、権限付与の単位、活動地域、基本的属性などが異なっている。警察の機能は国内法に基づいて犯罪の防止と法の執行を行い、部分的な治安維持を担うが、一方で軍隊の機能は国際政治において国家主権の象徴であり、必要時には武力を行使する組織である。軍隊は国防省などの下で行政府の外部に設置された国家の自衛権を担う機関であり、警察は行政府の下に置かれる行政機関である。さらに警察は国内法により権限が与えられているが、軍隊に与えられている権限は国際法によるものであり、国際法の主権絶対の原則や主権平等の原則に基づいた原則的無制限の権限である。現代の戦時国際法による制約はあるものの、それらは無制限の原則に基づいた規則であって権限の原則を規定しているわけではない。権限付与の単位として、警察では一人の警察官にまで権限が付与されているが、軍隊の権限は部隊行動を前提としており、個人の兵士一人ひとりに付与された権限ではない。活動領域についても警察力の行使は国内に厳格に限定されているが、軍事力の行使が可能な領域は国内に限定されない。警察力が外国で行使された場合は国際法では主権侵害であり、軍事力であればそれは戦争である。またそもそも警察の身分は基本的に文民であり、軍人ではないために戦時国際法における軍人として扱われることはない。ただし警察組織も非常に国によって多様性があり、より重武装な威力警察や準軍事組織などがある。[7]